晴れわたる桃源郷10
思い込みとは勝手なもので、お墓はそこら辺の道端にあるものだと思っていました。しかし、実際には全く違い、写真のような階段を上り、山の中へ中へと踏み入らなければなりませんでした。
階段を上りきった先のお寺の墓地の奥にのびる山道を辿ったあたり。それが近藤さんのお墓があるところでした。
近藤さんのお墓の隣には仲良く土方さんの戒名を書いた慰霊碑がありました。ひとしきり手を合わせ、色々頭にあることを彼らに問いかけてみたりしました。
友情で結ばれた二人。きっと、二人は自分以上に相手のことを思いやれ、それを互いに自覚し、それを心地良く思っていたのだろうと思います。そして、最期の瞬間まで、それぞれが違う地にあってもそれを忘れなかった。尊いことだなと思います。
お墓のすぐ右隣にはアクリルボックスがあり、中には民宿にあるような寄せ書きノートとボールペンがありました。私も思いの丈を書き、お墓を後にしました。(11に続く)
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