帰ってきたツバメ(のブローチ)

昨日、心が震えるような出来事がありました!
友達の家でパン教室をした後、買い物を済ませてから自宅に戻ったのですが、その時にお気に入りのツバメのブローチを落としたことに気づいたのです。

下の子の九九カードと音読に付き合い、お米を炊飯器にかけ、洗濯物だけ取り込んだらすぐに来た道を辿って探しに行きました。今日にかぎって、びっくりするほど鮮明に歩いたルート(道のこっち側とか)を覚えていたので、目を皿のようにして探して歩きました。

内心気が気ではありませんでした。夏に京都のアンティークショップで見かけた時に、バチッと、まるで感電でもしたかのように「これは私が持ち帰らなきゃいけないブローチだ!」と思って衝動買いし、その後8割くらいの割合で毎日身につけて出かけていました。近所のスーパーに行く時でさえもです。それくらい、あまりにも気に入っていたのです。

このブローチが私の何を見たのか知りませんが、私は勝手にこのブローチが喜怒哀楽全ての感情を共にしてきたような気持ちでいました。100年ほど昔に作られた、年季は入っているけれど、薄い真鍮の板とガラス玉でできた決して高価ではない材質のブローチ。でも私にとってはまたとない宝物で、できればずっと身につけていたいプライスレスなブローチでした。それが、、、落として失くしたやと⁈

自分がアンティークものを扱うネットショップを営んでいる以上、受け継がれたものを絶えさせてしまうのは極力避けたい、という気持ちもありました。古くから誰かが大事にしてきたものを、私が手に入れたことでものの3か月で失われてしまうだなんて、ブローチに対しても昔の持ち主に対しても申し訳ない気がして、探しに行くことを躊躇する気にはなりませんでした。

駅のホームを不審者みたいな素振りで舐めるように見渡し、次の心当たりの場所に移動しました。買い物後に立ち寄ったスタバでした。座った席の床を見てブローチが無かったので帰ろうとした矢先、入口付近のドリンクを受け取るカウンターの床に落ちているを発見しました!まさかの私が落としたツバメブローチです。

カウンター直下で、誰も気付いてないようでした。サッと拾って店を出ると、思わず両手でそっと包み込んで胸に当てていました☺️✨こんなところにあったなんて!

帰宅中の人でごった返す繁華街(とは言いつつ奈良なんでめちゃくちゃ人がいるわけではないですが)で行った範囲内で500円玉サイズのブローチを探すことの難しさ。電車を途中で乗り換えたので、そもそもこの街にあるのかすら定かではない品。長い時間をかけて私と巡り会ったブローチが私の元にもう一度現れるという奇跡の確率。

着脱ができる以上、絶対に落っこちない装身具などない。このブローチは今までもこんな目に遭ってきたのだろうか?それはさすがにわかりませんが、現にここにそのブローチは戻ってきた。

私のもとに帰ってきたツバメブローチが今まで以上に愛おしく感じられた瞬間でした。今までも十分大切にしてきましたが、さらに大切にしようと思ったのでした。

あしたのパン焼きさん

奈良・西ノ京でオンラインのタロットカード専門店Sweet Magical Card を営んでいます。完全予約制にて対面鑑定も実施中。 文書いたりイラスト描いたりタロットカードで占ってみたりしてますが、実はパンも焼いてます。

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